2011年1月31日月曜日

オール読物・鷺と雪

本棚をあさっていると、文藝春秋の「オール読物」2009年9月号を発見。表紙を見ると、「第141回直木賞決定発表」の文字が。

もちろん、チカコが買って読んでいたもの。そこには、浅田次郎、井上ひさし、平岩弓枝、阿刀田高、宮部みゆき、五木寛之らの「選評」や受賞作である北村薫の「鷺と雪」、北村薫の受賞記念対談などが載せられていました。

「鷺と雪」がなぜ受賞したのか、私には理解できません。昭和10年前後の上流社会がテーマの中編(短編?)小説。渡辺淳一の「選評」には「舞台となる昭和初期の雰囲気が描けていないし、お話そのものも、頭で作り出された域を出ていない」、これに同感です。


長編ではないので、「読んだ時間を返せ!」と言うほどの後悔はありません。「えっ、これでおしまい?」と思うぐらい短時間で読める小説です。「街の灯」「玻璃の天」をすでに発表し、この「鷺と雪」が完結編となる3部作なので、3編を続けて読むとまた違った感想を持つのかもしれません。

おもしろかったのが、雑誌に連載されている「現代語裏辞典」(筒井康隆・今号は、ラ~リャ)。

少しだけ紹介します(下品、卑猥なものは省きます=スケベな人は買って読まレヨ=)。

ライト 右翼側のナイター照明。
らいひん【来賓】 会費を払わぬ、招待状の客。
らくしょう【楽勝】 カニやドラえもんとジャンケンをすること。
ラテン 日本で言えば大阪。
らんにゅう【乱入】 弦楽四重奏にラッパで飛び入りすること。
ランプ 明るくないのはスランプ。
りきさく【力作】 兄は傑作、弟は愚作。
りきりょう【力量】 試されていない時に限って発揮できるもの。
リバーシブル 用途は2倍で寿命は半分。
りゃく【略】
りゃくじ【略字】 斉藤さん、偉くなったら齋藤さん。

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2011年1月30日日曜日

我が家の庭に咲く花

寒い1日でしたね。(風さえなければ過ごしやすい日だったのですが)

こんな寒い中でも、我が家の庭では、花たちが「命」を堂々と主張しています。

そんな花たちを、今日は紹介することにしましょう。

まず、冬の代表的な花「サザンカ」。太陽の光を全身で受けとめ、今が盛り。

そして、寒い外気にも強い「ガーデンシクラメン」。


毎年、この季節に目を楽しませてくれている「紅梅」。


あとは、あちらこちらの家でよく見かける「ビオラ」「パンジー」「桜草」「ースポール」。


花たちの世話は、いつもチカコが。私は、ほとんど(全く?)無関心状態。玄関に飾ってある花が変わっても、庭に新しい花が植えられても、新しく咲いても、教えられるまで気づかない困ったオジサンです。
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2011年1月29日土曜日

松原アコへお越しを!!

今日は、またまた松原アコーディオンクラブの第21回コンサートの宣伝です(クラブ入会のおすすめでもあります)。

このブログを訪問して下さっている方の中で、少しでもアコーディオンに関心をお持ちいただいた方は、ぜひコンサートにお越し下さい。(もちろん、アコーディオン弾きの方も大歓迎です!!!)

松原アコーディオンクラブ第21回コンサート
日時:2011年3月6日(日)午後1時開場 1時半開演
場所:松原ゆめニティプラザ多目的ホール(3F)
    近鉄南大阪線「河内松原駅」下車すぐ
演奏曲:フィンランディア アフリカンシンフォニーなど合奏3曲
    マイウェイ オーシャンゼリゼ ラ・パロマ 砂山 コン
    ドルは飛んでいく レッツダンスポルカ など重奏9曲
    主よ人の望みの喜びよ 第3の男 スワニー 平城山 
    パリのお嬢さん など独奏10曲
※クラブ講師の吉田親家氏の演奏もあります
※入場無料

画質も音質もとても劣化している動画ですが、4年前のコンサートの中から2曲お聴き下さい。

1曲目は、cobaが大好きでアコを始めたHさんの演奏で、cobaの1stアルバムの1曲目「SARA」。


2曲目は、以前、アップをあきらめた重奏曲「九ちゃんメドレー(吉田親家編曲)」。右端で落ち着きのないオジサンが私です。
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2011年1月28日金曜日

片眼の猿

一昨日、京橋で「吉田親家77コンサート」の実行委員会があったときに、またまた、時間つぶしのため本屋へ行きました。まだ読んでいない図書館で借りた本があるので、買うつもりもなく立ち寄ったのですが。

目にとまったのが、17日に発表された「第144回直木賞」受賞作、道尾秀介の「月と蟹」。単行本なので(値段が高い)、パス。他のコーナーを見ていると、またまた道尾秀介の「片眼の猿」(新潮文庫)が目にとまってしまい、結局(安いから?)、購入。

道尾秀介のものはたった1冊、2007年の「本格ミステリ大賞」受賞作、「シャドゥ」を読んだことがあるだけでした。

「片眼の猿」は、「シャドゥ」に比べてとても読みやすく、違う作者が書いたような感覚で前半を読んでいました。

主人公の三梨は、盗聴を専門とする探偵。ある楽器メーカーの依頼で、ライバル社を調査中、悪徳探偵社に勤める冬絵をスカウトし、調査の最中に殺人事件が発生…。トリックの伏線が作品中にちりばめられ、後半部分は驚きの連続。

しかし、ただ作者の巧妙なトリックがちりばめられた、ストーリーを楽しむだけの作品ではありません。表題とされた「片眼の猿」について、作中にこう紹介されています「昔、999匹の猿の国があった。その国の猿たちは、すべて片眼だった。=略=たった1匹だけ、両眼の猿が産まれた。その猿は、国中の仲間にあざけられ、笑われた。思い悩んだ末、とうとうその猿は自分の右眼をつぶし、ほかの猿たちと同化した」。「『俺はこう思うんだ。猿がつぶしたのは、そいつの自尊心だったんじゃないかって』」。

この作品に登場する人物の多くが、身体や精神にハンディキャップを持っています。主人公の三梨は耳殻を事故で失い、隣に住む双子の小学生には片腕がなく、「爺さん」には鼻がなく…。

人としてどう生きるか、人をどう見るか、それらを読者に問いかける作品だとも言えます。
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2011年1月27日木曜日

裁判員法廷

芦辺拓の「裁判員法廷」(文藝春秋)を読みました。

著者自身が「あとがき」で次のように述べています。
「本書は、2009年施行の裁判員制度をとりあげた、おそらく本邦初の小説集です。」と。
また「純然たる小説ーそれも本格ミステリとしては、これが第1号ではないかと思います。」とも。

本書は、3つの中編小説を1冊にまとめたもので、「審理」、「評議」、「自白」の3編からなっています。3編に共通するのは、弁護士(森江春策)、検事(菊園綾子)、3人の裁判官。6人の裁判員はまったく違う人物で、その中の一人は「あなた」という読者。

著者は「裁判員裁判」について肯定的な立場をとっているようです。

私自身は、「肯定的」にはとらえられません。この3編の小説に共通することは、弁護士の森江春策の卓越した弁護活動により、検察から「有罪」とされた被告人が、合議の結果「無罪」となること。つまり、えん罪から被告人を守る小説なのです。

このことを違う角度から見れば、「えん罪」が起こりやすいことの証でもあると言えます。


今までの裁判制度の中でも多くの「えん罪事件」がありました。2009年から始まった「裁判員制度」では、「公判前整理手続」により裁判を短期間で終わらせる仕組みそのものが「えん罪」を新たに生み出すことに結びつくと懸念せざるを得ません。えん罪を生まない制度的な保障がないかぎり、「国民に開かれた新しい裁判制度だ」と、もろ手を挙げて賛成することはできません。


裁判員制度の対象となる裁判は、重大犯罪だけです。死刑や無期懲役になりかねない裁判であるだけに、すでにスタートしてしまった制度ではありますが、見直しが必要なのでは?…と、そんなことを考えさせられた小説でした。
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2011年1月26日水曜日

吉田親家77コンサート・実行委員会

今日、吉田親家77コンサートの実行委員会を行いました。

実は、「実行委員会」といっても専用の会議場所はなく、今回も環状線京橋駅ホームにある喫茶店で。経営者には失礼ながら、客入りが少なく、たぶん迷惑とはならない状態で2時間も狭い店内の一部を占領しての「実行委員会」。

今回は、吉田先生抜きの実行委員会。コンサートの具体化はあまりできなくて、多くの課題を次回(3月)に持ち越しました。

新たに決まったことは、会計担当をKさんに、振り込み口座とチケット担当をEさんに、コンサート後の「祝う会」(仮称)担当をYさんに、チラシは業者に依頼せず自前で作ること等々。

演奏曲については流動的ですが、次のような案ですすめることになりました。

吉田親家氏の演奏曲=「ボレロ」「マジックフィンガー」+数曲


サークルの祝賀演奏曲=関西アコーディオンクラブ→「ラ・クンパルシータ」
                松原アコーディオンクラブ→「コンドルは飛んでいく」
                泉北アコーディオンサークル→「???」


吉田先生指揮による合奏曲=フィンランディア(松原アコ+関西アコ)


吉田先生伴奏による合唱=女声合唱団「レガーテ」に依頼

司会者=プロのKさんに依頼

本番の9月24日まで日数はまだまだありますが、次回の実行委員会以降、具体化されるに伴って忙しくなりそうです。
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2011年1月25日火曜日

松原アコーディオンクラブ・第21回コンサート

松原アコーディオンクラブの「第21回スプリングコンサート」が3月6日(日)午後1時半より、松原ゆめニティプラザ多目的ホール(3F)で行われます。このことは、かなり前からこのブログで案内させていただいていました。


そのコンサートに向けた冬合宿が1月22日、23日にありました。私は「ぞうれっしゃがやってきた」の取り組みの方に参加していましたが、電話で合宿のことを聞くと、とても充実した合宿だったようです。

もちろん、講師の吉田親家先生が一番お疲れのハズ。すべての独奏、重奏、合奏を指導されるのですから。夜の交流会もゲームなどのお遊びは一切なしで(アルコールはもちろんアリ)、コンサート成功に向けてマジメに語り合ったとのこと。

私の役割は29日のレッスン日に「案内葉書」を届けること。今日、その葉書の印刷を終え、残る私の責任は、当日の司会のみ。

もちろん、この葉書やチラシがなくても自由に会場に入っていただくことができます。ヨッシャ!行ってやろう!と思われる方は、ぜひご参加下さい。

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2011年1月24日月曜日

納棺夫日記

20年近く前に発行された青木新門著「納棺夫日記」(桂書房)を今日、読みました。

映画「おくりびと」との関係で、一時期、青木氏のこの著作が話題となっていました。

「おくりびと」は脚光を浴びましたが、主役でもあり、この映画の構想を練ったという本木雅弘と青木新門との間で何度か話し合いが持たれたようです。

映画紹介で次のように語られているのがネットで公開されていました。

「本木さんと青木さんの馴れ初めは、本木さんが27歳の時にインドを旅した後に、自分の本の中でベナレスで沐浴する自身の写真に添えて『納棺夫日記』の一節を引用させてほしいと、青木さんに申し入れたことに始まるそうです!」

映画化にあたっては、ストーリーがかなり変えられていて、結局、青木氏は「原作」とすることを断ったようです。


この本を読んでいる途中、何度か読むこと自体を止めようとしました。簡単に言えば、気分が悪くなったのです。蛆(うじ)がわいている死体や轢死体などについて、かなり具体的な記述があり、先を読むのが怖くなってしまったのです。

途中から、生と死、宗教、特に仏教(浄土真宗)に関わる彼の考えが書き綴られ、「日記」という範疇を超えた読み物になっています。「日記」が3章、ノンフィクションに近い短編小説が2編収録されていて、後半は、落ち着いて読むことができました。


最後に、著者が引用している正岡子規の「病床六尺」の一部を紹介します。この引用が著書の5つの内容を収れんしているような気がします。

「悟りといふ事は、如何なる場合にも、平気で死ねることかと思って居たのは間違いで、悟りといふ事は如何なる場合でも、平気で生きて居ることであった」
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2011年1月23日日曜日

ぞうれっしゃがやってきた=本番=

いよいよ、「ぞうれっしゃがやってきた」の本番日。

午前中に最初で最後の舞台「通し」リハ(他の出演団体は、昨日に舞台リハを終えていました)。照明や効果音なども入れ、なんとか最後までたどり着くことができました。

昼食休憩をはさんで、1時半から受付開始。私とチカコは昼食休憩の時間に急いで家に帰り、チカコが義父に昼食を作り、後片付けをパパッとすませ、再びマルベリーホールへ。まさに綱渡り状態。ぎりぎり間に合いました。

チカコは受付。私は上手側で子どもたちの出入りの世話や指揮台の移動などをするだけ。

受付開始後、すぐに会場である葛城市立新庄文化会館「マルベリーホール」は満員状態に。通路に立って開演を待っておられる方が何人も。まさに溢れんばかりの人々…。プログラムに目を通しながら開演を今かいまかと待つ観客の方々。

〔プログラムの表紙〕

オープニングは、新庄中学校吹奏楽部の「LOVE RAINBOW」と「銀河鉄道999」。
写真や動画は、すべて22日(前日)のものです。


第1部。新庄北小学校附属幼稚園さくら組(年少)の孔雀太鼓「さくら元気太鼓」。


同じく、ひまわり組(年長)による「祈り太鼓」と「メロンパン音頭」。


第2部。チーム白鳳(きらり)による「南中ソーラン」。


同じく、チーム白鳳(REN)による「大和舞いばやし」。


そして、いよいよ第3部。「ぞうれっしゃ合唱団」による「ぞうれっしゃがやってきた」。

 


途中で、副実行委員長と司会者によるトーク、実行委員長と葛城市長のあいさつもあり、このコンサートの意義や取り組みの経過が観客の方々にも充分に受けとめていただけたことと思います。

最後に舞台と客席が一体となって、第10章の「ぞうれっしゃよはしれ」を大合唱。

チカコに聞くと、「アンケート」にはコンサートをとても肯定的に受けとめていただいた感想や「絶賛」する感想が多かったとのこと。

「お手伝い」という気軽な立場にいた私ですが、出演者や実行委員会の方々と「感動」を少しでも共有できたこと、感謝の気持ちで一杯です。特に、この取り組みの提案者で、私に声をかけていただいたNさん、そしてWさんには、素敵な機会を与えていただいたこと、感謝しています。

残念だったことが一つだけあります。「軍人」役のHさんの夫人Mさんが闘病中のために出演できなかったこと。実は私の元同僚で、昔、よくバチン!とドツカレタことを今もいい思い出として、懐かしく思うほどです。またドツカレることを楽しみにしていたのですが…。でも、お孫さんが立派にその役割を果たしていたことを後日配布されるビデオできっと楽しまれることでしょう。
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2011年1月22日土曜日

廃墟に乞う

第142回直木賞受賞作、佐々木譲の「廃墟に乞う」(文藝春秋)を今朝、読み終えました。

今日は「ぞうれっしゃがやってきた」の第1部と第2部のリハや合唱の練習のことを書こうと思っていたのですが、明日が「本番」ですので、明日のブログにこのことを詳しく書くつもりです。

さて、佐々木譲の作品については今まで何回か書いてきました。いったん「打ち止め」にしてから「暴雪圏」を読み、また図書館で予約までしてこの本を読みました。


「廃墟に乞う」は今まで読んだ作品とは違って、いわゆる短編の連作集。

湯治場通い等をして療養中の身である(ある事件で精神的ショックを受け、休職中)仙道孝司という警察官が、公務外としていろいろな事件に関わり、結果的には事件の解決に貢献するという6つの短編(連作)集です。

北海道のさまざまな場所を舞台にし、事件の種類もさまざま。警察手帳も、もちろん拳銃も持たない彼が「私的」に事件を探り、解決に導くという、今まで読んだものとはまったく異質な警察小説でした。

なぜこの作品が直木賞を受賞したのか、疑問を感じます。他の作品の方が読み応えもあるし、インパクトも強烈なのに…。「読みやすさ」にだけは太鼓判を押せますが…。時間つぶしにはうってつけの作品だとは思います。

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2011年1月21日金曜日

運転免許更新

初めて(たぶん)平日に運転免許更新のため「運転免許センター」へ。現職時は、もちろん休みの日に行っていました。

平日なのであの混雑はないだろう、と思いながらセンターの駐車場に入ると、思った以上に多くの車が。でも、受付に長蛇の列はなく、ひと安心。

恥ずかしながら、今日初めて知ったことがありました。2年前から「ICカード化運転免許証」に切り替わっていたのです。

4桁の数字が2種類必要。暗証番号1はICチップに記録された氏名、生年月日、免許証交付年月日、有効期間の末日、免許の種類、免許証番号等を保護し、暗証番号2はICチップに記録された本籍と顔写真を保護するとのこと。


3番受付に並ぶと、その複数の列の途中に暗証番号を打ち込む小さな機械がそれぞれ置かれていました。見ていると、そこで手間取っている人の多いこと! ここにこそ係員を配置すべきだと思いました。途中でギブアップ?し、列から抜けていく人もいます。私の前の人は、数字を打ち終えるまでにかなりの時間を費やされていました。私?もちろん、ほんの数秒。


ところで、ICカードに切り替えて、何か私たちにメリットはあるのでしょうか(偽変造防止というのはわかります)。読み取り装置が普及するのはいつになるのでしょうか。ICカード運転免許証とSuicaICOCA、その他の非接触型のカード類をいっしょに携帯していると、読み取り時に誤作動が起こることがあるという記述がネット上に…。

IC化のため更新手数料を450円もアップする根拠は?免許証を8000万人が持っているとして、450円×8000万=360億円なり! 「身分証明書代わり」としてICカード免許証が広く使われるときのため、と言いながら、性別の証明ができないままなのはなぜ?

いろんな(つまらない?)疑問がわいてきてしまいました。
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2011年1月20日木曜日

疑心 「隠蔽捜査3」

文庫化されてから読もうと思っていた今野敏の「疑心(隠蔽捜査3)」(新潮社)を単行本で読みました。

市立図書館で「予約」しておいたのですが、思っていたよりも早く、1週間後に図書館から電話。一昨日、取りに行くと、もう一冊「廃墟に乞う」もちょうど返却されたところで、運よく二冊ゲット。

前二作(「隠蔽捜査」、「果断」)とくらべると、少々手抜き気味?の作品。

前二作と同じく、竜崎伸也が主人公。2階級降格の人事処分を受け大森警察署長として勤務している竜崎が異例の第2方面警備本部長となり、アメリカ大統領来日の羽田空港でのテロ計画を「偶然」も重なって阻止するという内容。


前作までの「筋立て」とくらべて見劣りがするのは、前作までは竜崎の人間性を彼の「家族」を通して表現していたのですが、今回は彼の部下への「恋心」で表そうとしたからだと感じます。

竜崎の「変人」ぶり、徹底した合理主義、超越した決断力…の陰にかくれた、魅力的な人間性としての逸話程度に「恋心」を扱ってほしかったのです。しかし、今回の作品では大きく扱われすぎ、肝心の「本筋」がおろそかになってしまったように思います。

もし、このシリーズに順位をつけることが許されるなら、一位が「果断」、二位が「隠蔽捜査」、そして三位が「疑心」でしょう。(まあ、なんてエラッそうに…)
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2011年1月19日水曜日

椿の花

チカコは最近、「椿」を作りだしていました。それが今日、完成。

一昨日には、染めるまでの作業を終えていました。昨日と今日、葉を作ったり、こてを当てて花びらの形にしたり…。時間はそんなにかからないのですが、テレビをちらちら見ながらのんびりと?作っています。

アートフラワーにはいろいろな道具や材料が必要です。

このブログで、妻のチカコがアートフラワーが趣味だと知ったEさんが、年末にいろいろなものを送り届けて下さいました。布、ワイヤー、こて、筆などたくさんの品々…。Eさんの亡くなられたお母さんの「遺品」とのこと。さっそく電話をし、チカコからもお礼を…。

今回の「椿」には、いただいた布を使ったようです。


Eさん! 出来の良し悪しはさておき、いただいた布でこんな作品ができました。ありがとうございました。
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2011年1月18日火曜日

万葉の国 大和三山殺人事件

貴島政人氏(執筆・出版時は、ある医療機関に勤務されており、2年もの歳月を費やして書き上げられたそうです)の「万葉の国 大和三山殺人事件」(阿羅人舎)を読みました。


もし、このブログを関係者がご覧になることがあれば、ひたすらお許しを請うしかありません。「労作」にけちをつけるつもりは全くないことをご理解下さい。自分で小説を書いたこともない凡人の戯言と思って下さい。


昨日、宮部みゆきの「孤宿の人」という素晴らしい時代小説を読み終えた直後だからではありません。「万葉の国 大和三山殺人事件」の表現の稚拙さ、言葉の誤り、字のまちがい…「文学」以前の初歩的なミスに何度も出くわし、せっかくの著者の苦労が台無しとなっていることが残念でなりません。これは、出版社に責任があることなのかもしれませんが…。

読み始めて、すぐに疑問符のつく箇所が出てきます。(P17)「背広姿の男が四人」と書いたすぐ後に「大柄な制服姿の署長」とあります。警察署長の制服が「背広」なのでしょうか?この四人に署長が含まれていることは否定できません。


一人目の殺人があった日の捜査会議。松本部長刑事の言葉(P21)「この日も朝からの猛暑で」と書かれており、こう書くと捜査会議は事件とは違う日に行われたことになってしまいます。おかしいなあと読み返すと、やはり死体発見の当日に会議が開かれていて、「この日も」という言葉がいらないことになります。(P191)「尊敬を抱く」という言葉はありません。「尊敬の念を抱く」のです。(P195)「耳を覆いたくなる」とあります。耳は塞ぐものです。覆うのは目です。「耳を塞ぎたくなる」とすべきです。(P239)「誰の姿が見えなかった」は「が」を「も」に直したとしても、矛盾する書き方。窓枠に足をかけた美島がそこにいたのですから。(P241)「警察の手を委ねる」は「手に委ねる」。


まだ言葉遣いのまちがいはありますが、文字のミスについて。(P100)「横河の心心遣い」、これは心と心の間の読点が抜けたのか、心が一つ多いのか? (P155)「車ニ台」と二がカタカナになっています。(P211)「カンズメ」は「カンヅメ」が正しい。(P222)「よくく理解」は「よ」が抜けたのか、「く」が多いのか?


こういった具合で、物語の内容を味わう気分にはなれないまま、最後まで読んでしまいました。働きながら作品作りをする大変さは想像に難くありません。いや、想像以上でしょう。それだけに、出版に関わる人たちの責任が問われます。

こんなことを書く私自身の「悪文」は横にオイトイテ…。
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2011年1月17日月曜日

孤宿の人

先週、宮部みゆきの「理由」を読んだ後に、妻のチカコから「宮部みゆきなら『孤宿の人』がええよ」と薦められ、言われるままに市立図書館で借りて読み、チカコの書評力?を再認識させられました。


私は、読んだ本の作者名や題名をすぐに忘れてしまいます。人に尋ねられて「確か、読んだことがあるような、ないような…」「ああ、そういえば読んだことがあったかな?」程度。大切にしているアコーディオンの楽譜でさえ、すでに購入していたことを忘れて、「いい本見つけた!!」と買って帰り、家で同じ本を見つけてガックリ…という経験が(CDでも)あるほどです。


その点、チカコはまったく違って、作者名や題名、内容などもスラスラとまではいきませんが、私が感心させられる程度には覚えています。私とは比べようもないぐらいたくさんの小説やエッセイを読んできたにもかかわらず…。


「孤宿の人」は「上」「下」それぞれ400ページを超える長編ですが、まったく苦になることなく最後まで読み終えることができました。「積ん読」には決して陥らない小説です。


幕藩体制に崩壊の兆しが見えだした(象徴が大塩平八郎の乱)第11代将軍家斉の時代。讃岐の丸亀藩をモデルとした丸海藩を舞台とし、早くに母親を亡くした少女"ほう"が主人公。


老夫婦に預けられ、江戸で過酷な日々を送り、丸海藩の藩医「井上家」に預けられることとなります。「阿呆」の「呆」とさげすまれてきた"ほう"が、何人もの登場人物に温かく見守られ、「呆」から「方」へ、そして「宝」へと成長していきます。

"ほう"のまわりで何人もの人たちが「死」を迎えていくのですが、無垢で必死に生きようとする"ほう"の姿に胸を打たれる時代小説です。

「理由」と比べること自体おかしいのですが、「理由」にはなかった、「ひきつけられ、同化させられる」私がそこにいました。小説なのに"ほう"のその後の成長を願わずにはいられないほど…。

まだお読みでない方、だまされたとは思わせません。ぜひご一読あれ。
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2011年1月16日日曜日

ぞうれっしゃがやってきた=1週間前=

今日は、初めて本番会場でルハーサルを兼ねたレッスンがありました。

私自身は、会場のマルベリーホールへ入ったのは初めて。キャパは717。中規模のきれいなホールでした。

舞台には、本番と同じように「ぞうれっしゃがやってきた」のシンボルが、すでにつるされていました。実行委員の方に伺うと、すべて手作りで、トラックをわざわざ借りてこの会場まで運んだとか…。

今回のレッスンは、午後。雪のため車で帰ることができなくなるのでは、という心配があったのですが、リハを終えて外へ出ると、雪は全くなし。寒さにふるえながら運転し、わずか15分ほどなので、車内が暖まり出す前に帰宅。

話が前後してしまいました。リハは、もちろん立ち位置を覚えるところからスタート。指揮者やピアノの位置を決め、大人と子どもたちの並び方、合唱構成の中での出入り、立ったり座ったりするタイミング、マイクの位置、動作…、いろいろなことがぎゅっとつめこまれたリハーサルでした。
先週までは笑ってすますことができましたが、もうそんな段階ではありません。「部外者」である私が口を差しはさむことはできませんが、いろいろ心配な面がクローズアップされたリハでした。

事務局のお話だと、出演者が会場に座って第1部や2部を見ることができないぐらいチケットは売れているそうで、会場が満員となることはまちがいなさそうです。23日の本番が無事成功しますように…。
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2011年1月15日土曜日

「勝利宣言」撤回…

12月18日に「勝利宣言」をしましたが…撤回します(ハッヤ~!)。

実は、あの日以降、3回も糞害にあってしまっていました。糞にクッソ~(洒落はやめときなシャレ)。

今朝、9時頃のこと。2階にいると室内インターホンが鳴りました。普段は、階下にいるチカコが夕食の用意ができたときなどに私を呼ぶために使っているのですが、今回は「Help!」の合図。

「ネコが庭に入ってきて…」の声に、ダダッと階段を駆け下り、庭へ。一度逃げようとして門柱横のネットにはじき返され、今はガレージの方に逃げ込んでいる、とのこと。

チカコは庭からガレージ(西側)の方へ、私は東側から北をまわってガレージへ。気づくと、手に武器となる傘を握っていました。車の下にネコらしきものが…。傘を持ち直し、出てきたらこいつで…、と構えたそのとき、ネコが車の下から飛び出し、私の横をチーターのような速さで駆け抜け、庭へ出て、チカコのいるガレージ横の高さ1mほどの塀をジャンプし、そこに張ってあった目の粗い(15cmぐらい)ネットを破って逃走。
ンニャロメ。人間様を何と心得る! にっくきクソネコになめられてたまるかってんダイ! 今度来やがったら承知せんゾ(おっと、私としたことがなんと下品な表現)。

今日明日はあいにくの天気なので、天気のいい日にでもネコの入る隙間を点検し、何かでふさがなければ…。もう、ネコとのいたちごっこはいやになってきました。トホホ…。
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2011年1月14日金曜日

アコーディオニスト

2日続けて、子どもたちの演奏を紹介しました。

今日は、私が生で聴いたことのあるアコーディオニストの中で、お気に入りの方々の演奏を紹介します。

まず、何はさておき、クラシックアコの世界的プレーヤーである御喜美江さん。奈良県の田舎のホールで演奏会があったときに、生で聴きました。客席はガラガラ。なんともったいない、と思ったことだけよく覚えています。曲はピアソラの「白い自転車」です。
http://www.youtube.com/watch?v=OnxaNixbwyw&feature=mfu_in_order&list=UL

ボタンアコではかとうかなこさん。私の出身小学校(豊中市立上野小学校)のエラ~イ後輩です。曲は「今日はいい朝だよ」です。
http://www.youtube.com/watch?v=fHtTDGuAoWk&feature=mfu_in_order&list=UL

去年の夏、「西日本アコ仲間のつどい」に参加していただき、そのご縁でJAAの銀座音楽祭の後、神田でオゴッテいただいたトンボ楽器の社長、真野照久さん。曲は「マルゴーのワルツ」です。
http://www.youtube.com/watch?v=90hbf70iETE

恒例となった「ビバ・アコーディオン」(AAA主催)によく参加されているお二人。はるばる遠い九州や愛知からほぼ毎年参加されて、素敵な演奏を聴かせていただいています。まずは、いわつなおこ(トリオ ロス ファンダンゴス)さんの「ブエノスアイレスの夏」です。
http://www.youtube.com/watch?v=g72ubLWI190&feature=related

そして、青木孝明さん。一見ボタンアコにみえるピアノ式アコでの演奏「Brise Napolitaine」です。約2分30秒の曲を最後までお聴き下さい。最後にびっくりさせられます。
http://www.youtube.com/watch?v=73i_IRLxyLE
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2011年1月13日木曜日

子どものアコ演奏=その2=

昨日は、男の子のアコーディオン演奏ばかりでした。
今日は、YouTubeで見つけた女の子の演奏を紹介します。

映像を探していて、とても暗い気分になってしまいました。昨日のようにカワイイ演奏と呼べない、「貧困」を象徴する映像がたくさん見つかるのです。それらも紹介しないわけにはいきません。


まず、ビックリするぐらい小さな子が、ビックリするぐらい上手?に弾いている映像から紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=XLdqEn8pqis


裕福?な家庭で、温かい目で見守り続けられたであろう二人の女の子の演奏。
http://www.youtube.com/watch?v=L4OsWc_1bko&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=FWFV3ObiduU&feature=mfu_in_order&list=UL


貧困さを象徴するストリートチルドレン? パトカーが近づいてくるのを察すると逃げていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=UN1vulMCTvg


壊れたアコーディオンを生活の糧にする少女二人の映像。
http://www.youtube.com/watch?v=3XYpHUtwI50&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=Pt31dBuj82E&feature=related

暗い気分のまま終わるのは申し訳ありませんので、オマケ映像として「くわえタバコでアコーディオンを弾くネコ」を紹介します。ナンジャ~、コリャ!! と叱られるかも…。
http://www.youtube.com/watch?v=aMfqNRXyJIc

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2011年1月12日水曜日

子どものアコーディオン演奏

久しぶりにYouTubeでいろんな演奏を楽しみました。

子どもたちのカワイイ演奏をいくつか紹介します。

まず、cobaも驚く?この演奏。舞台慣れ?したこの男の子。観客の反応が、また素晴らしい。
http://www.youtube.com/watch?v=xI34btfxRu4

脇役に徹しながら、観客の注目を集めるリズム感が素晴らしい男の子。
http://www.youtube.com/watch?v=M5k7LdsVmAs&feature=related

アコーディオンを冷静に弾きながら歌うカワユイ男の子。
http://www.youtube.com/watch?v=lnLQKb7yaKI&feature=related

観客にどう聴かせるか、どう見せるかを「訓練?」された、今日紹介する中で一押しのニックキ男の子。マイリマシタ。
http://www.youtube.com/watch?v=dE6tknuVHXk&feature=related

視覚障害を持ちながらここまで弾けるようになるには、かなりの努力・苦労があったはず。
http://www.youtube.com/watch?v=aoJjk3URWMI

その他にもいろいろありました。
http://www.youtube.com/watch?v=4CLd8Uxdz6M

http://www.youtube.com/watch?v=M0PVWrkNXAM&playnext=1&list=PL7AF24FA61F21D92C&index=39

http://www.youtube.com/watch?v=JoS6QsoXDkA&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=C2cLKkoKqko&feature=related

いやあ、マイッタ、マイッタ…。
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