2011年1月20日木曜日

疑心 「隠蔽捜査3」

文庫化されてから読もうと思っていた今野敏の「疑心(隠蔽捜査3)」(新潮社)を単行本で読みました。

市立図書館で「予約」しておいたのですが、思っていたよりも早く、1週間後に図書館から電話。一昨日、取りに行くと、もう一冊「廃墟に乞う」もちょうど返却されたところで、運よく二冊ゲット。

前二作(「隠蔽捜査」、「果断」)とくらべると、少々手抜き気味?の作品。

前二作と同じく、竜崎伸也が主人公。2階級降格の人事処分を受け大森警察署長として勤務している竜崎が異例の第2方面警備本部長となり、アメリカ大統領来日の羽田空港でのテロ計画を「偶然」も重なって阻止するという内容。


前作までの「筋立て」とくらべて見劣りがするのは、前作までは竜崎の人間性を彼の「家族」を通して表現していたのですが、今回は彼の部下への「恋心」で表そうとしたからだと感じます。

竜崎の「変人」ぶり、徹底した合理主義、超越した決断力…の陰にかくれた、魅力的な人間性としての逸話程度に「恋心」を扱ってほしかったのです。しかし、今回の作品では大きく扱われすぎ、肝心の「本筋」がおろそかになってしまったように思います。

もし、このシリーズに順位をつけることが許されるなら、一位が「果断」、二位が「隠蔽捜査」、そして三位が「疑心」でしょう。(まあ、なんてエラッそうに…)
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