2011年9月22日木曜日

奇縁まんだら(続の二)

瀬戸内寂聴の「奇縁まんだら(続の二)」(日本経済新聞出版社)を読みました。

「奇縁まんだら」シリーズ3冊目の単行本です。ずいぶん前に「寂聴のモノはもう読みません」と書いておきながら、この「奇縁まんだら」シリーズは出版されたモノ3冊を全部読んでしまいました。

登場する人物は、1冊目はほとんどが作家でしたが、2冊目以降は文士が減り、3冊目では圧倒的少数。

このブログを読んでいただいている方の「批難」をおそれずに、登場する人物を列挙しますと…田中角栄、美空ひばり、六代目 中村歌右衛門、大宅壮一、江戸英雄、中原淳一、森繁久彌、山田恵諦、吉行淳之介、勝新太郎、東郷青児、藤山寛美、平山郁夫、薩摩治朗八、久世光彦、筑紫哲也、小林秀雄、武原はん、加藤唐九郎、江藤淳、藤間紫、高岡智照尼、十三代 片岡仁左衛門、住井すゑ、埴谷雄高、野上弥生子、佐多稲子、中村真一郎、片岡球子、永山武臣、神近市子、中野孝次、長谷川一夫、荒川修作、梅棹忠夫、ミヤコ蝶々、斎藤十一、五味康祐、吾妻徳穂、嶋中鵬二、岡本敏子…全部で41名。

えっ、亡くなられた方のことをこんな暴露記事風に書いてもいいの?と、1冊目では思っていましたが、今は違う見方に変わりました。

巷に伝えられる「偉人?」の偉大な面ばかりでなく、「卑小?」な面も寂聴は書いているのですが、そこに寂聴がその人物に対する敬意を感じることができるのです。エロ事師!と単純に批難できない寂聴のカワイラシサが感じられるのです。また「偉人」に対する評価では異議を唱えたくなるものもありますが、その人物を身近に感じさせてくれる貴重な逸話は文句なしに楽しめます。

今も、日経紙上で毎週日曜日に「まんだら」の記事が載っているそうで、もしかすると第4弾が?4冊目が出版されることを願っています。
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4 件のコメント:

  1. 寂聴さん、おもしろいですよね。得度される前の作品を数点よんだことがあります。また、父が亡くなってから、仏教系のエッセイを
    数点「つまみ読み」しました。人と人とのかかわりは濃いも薄いも
    数ある中に。。。ですよね。
    ところで、BON先生が、私の勤務先の施設で「紅葉」を弾いてくださったとき、「濃いも」を「小芋」と、うんとお小さいときに思われていたそうな、で、「薄いも」。。。は、どんなイモかいな。と
    ご利用者のみなさまを笑わせておられました。
    ちなみに、長芋を厚さ5ミリ程度の厚めのスライスにして、お好みのオイル(くま女的には、なじみの良いオリーブオイルがベストかしら。)でソテーし、塩コショウをされると良い、お酒のアテに
    なります。ビールからハードリカー(このところいただいておりませんが。)まで、かなり広範囲で対応できる「アテ」になると
    思います。もちろん、青少年の「サブのおかず」にも使えます。
    薄く切ってあるので。。。これが「薄いも」の正体なのも。。。)

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  2. くま女房さんへ

    いつもコメントをいただき、ありがとうございます。
    ホントは3冊目はあまり面白くないのです。ほんの2,3回会っただけの、つながりの薄い人物のことが多くなり、一人に割くページ数も少なくなって、それに伴い内容が薄くなりすぎています。でも、面白いことはオモシロイのですが…。

    BON先生のお話、オモロイですネ。よく「うさぎ美味しかの山」と思い込んでた、という話は聞きますが、「小芋、薄芋」とは…笑ってしまいます。

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  3. くま女房さんの酒のアテの記事を読んでいて、昔つくった自作の「若者たち」の替え歌を思い出しました。
     元歌の歌詞
    君のあの人は 今はもういない だのになぜ 何をさがして
    君はゆくのか あてもないのに
     BON による替え歌
    君の呑む酒は 今はもうないさ だのになぜ 酒を見つけて
    君は呑むのか アテもないのに

     オソマツ (すなわちBON作)
    (ワタイが作るのはすべて凡作カイッ!と自嘲気味の昨今)

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  4. MR.BONさんへ

    オモロイコメント、ありがとございます。
    私のよく歌った替え歌がありますが、こんなトコではご紹介できないシロモノ。学生時代、コンパでよく歌った低俗なヤツですが…。その点、BON作品は上品です。

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