10の短篇からなる連作短編集です。最後の短篇以外は「きみは」という二人称で書かれていて、10編目だけ「ぼく」という一人称で書かれている珍しい小説です。
「あいあい傘」は、全編の主人公と言える活発だった小学4年生の恵美が交通事故に遭って以来、腎臓病で大人になるまで命をつなげることができるかどうか分からないぐらい病弱な由香と接近していくまでを描いた短篇。この短篇だけで完結したとしてもおかしくない重要な読者への「友だち」って何?と問いかける、この小説の核となる短篇です。
「ねじれの位置」は、この恵美の弟で、勉強、運動、人気のどれをとってもクラスでNo.1のブン。彼と転校生でブンのNo.1を脅かす存在となるモトとの出会いの話。
「ふらふら」の「きみ」は、クラスの人気者の地位を奪われる堀田ちゃん。
「ぐりこ」の「きみ」は、ブンの元親友の三好。
「にゃんこの目」の「きみ」は、友だち関係のもつれから心因性視力障害になったハナちゃん。
「別れの曲」の「きみ」は、優秀な後輩のおかげでサッカーチームのレギュラーになれなかった佐藤くん。
「千羽鶴」の「きみ」は、いじめが原因で転校してきた西村さん。
「かげふみ」の「きみ」は、ずっとブンと親友でライバルだったモト。
「花いちもんめ」の「きみ」は、受験を控えた時期に「友だち」の由香が死を迎えようとする中で新しいつながりを発見する主人公の恵美。
「きみの友だち」の「ぼく」は、主人公の恵美と一生を共に歩むこととなった、この物語を書いた小説家。
この連作は、時間の壁を壊して、時系列を無視する書き方になっています。それがとても効果的な作品ですが、最後の「きみの友だち」だけは異質。これだけは一つの短篇だけを読んでもまったく意味不明で、おまけに「ぼく」という一人称で語られ、違和感をおぼえました。
「友だち」って何?を考える思春期の世代、そして青年が読めば、自身の生き方を改めてとらえ直すことができる小説だと思います。説教くさくなく、若い人たちにはお勧めできる本です。思春期世代の「親」にもお薦めできます。
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昨日の貴ブログですが、ハス田という語はあまり使わないようで、蓮池と言うようですナ。
返信削除今日はメッチャ暑かったけど、その暑いさ中、例によって
自転車で1時間程の所へ歌声喫茶の伴奏に行ってきました。
おとといの2日、小樽から帰った日も別の1時間強かかる場所での歌声喫茶の伴奏に行ってました。物好きナ.....。
お客さんの方がもっと物好き?
今日の行きしな、また面白いクイズを考えつきました。
「岡田貞子(さだこ)と浦田渉(わたる)。この二人に共通する事とは一体何か?」
これが問題です。このブログの読者はゼヒ挑戦してみてください。
今日のブログ内容に全く関係なくてチョウ・ゴメン!
MR.BONさんへ
返信削除このコメントこそ「スパム」として処理されるべきなのに…(笑)
一時間も自転車に乗り、そして伴奏…これぞ「超人」!暑い折、お体をこわされませんように…
答えはいろいろ考えられますが、一番ショーモナイ答えのパターン…「山本山」「竹藪焼けた」の母音版?
今回は自信がありません。まさかこんなラベルじゃなくてレベルの問題を先生が出されるはずがないし…
緊急警戒情報==ブログ乗っ取り屋出没中==
折角苦労して考えたのに、アッサリ正解を出されるは、おまけに「ショーモナイ問題」と烙印は押されるは、でトホホ..
返信削除ダス。
もし答えられる人がいないほど難しければ、ヒントとして
(ヒントになるかどうかは受け取る人次第なのですが)
「二人とも赤坂に住んでいます」という文を用意してたんでっせぇ。(勿論 AKASAKA も逆から読むと一緒になります)
それにしても、OKADA SADAKO は兎も角
URATA WATARU はうまく、いい名前を考えついたなァ、と自賛してたのに。
誰かほめてくれる人はイテマヘンかなァ......