2011年7月22日金曜日

1gの巨人

大山尚利の「1gの巨人」(双葉社)を読みました。

主人公の夫婦が偶然、橋から身投げしようとしている?身長2mを超える「巨人」の姿を目撃して、この男の自殺(?)を断念させるところから物語が始まります。

この「ガリバー」と呼ばれる巨人を助けたことをきっかけに、さまざまな「事件」に巻き込まれることとなります。正確には、主人公の落合というライター自身の幼さ、猜疑心の強さがそれを増幅していくだけなのですが…。

妻に対する根拠の軽薄な嫉妬心から自らを窮地に追い込んでみたり、保身に走って死体遺棄の手伝いをしたり、飲んだ勢いで見知らぬ若者にけんかを売ったり…こんな主人公が「私」の心情を吐露しながら語っていくのですから、だんだん読む気が失せてくる作品でした。

この主人公のダメ人間ぶりにもかかわらず、前半部分は「後半の展開」を期待して読むことができましたが、後半になるともっとひどくなるだけ。謎に包まれた「ガリバー」が再登場するのは骨壺の中で、すでに灰と骨になってから。このあとも主人公が墓穴を掘るような話が延々と続きます。一部分は共感できるところもあるのですが…。

「ガリバーの行方を知らないと、あんたも殺されるぞ」―わけがわからない。得体のしれない大男を助けてから、私は何に巻き込まれている!?日本ホラー小説大賞長編賞作家が才能の限りを尽くした、ノンストップ・心理サスペンス。

というこの本の宣伝文句に異議あり…。おもしろくないので早く読み終えてしまいたい、という意味では「ノンストップ」は当たっています。
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