その本は、鯨統一郎の「タイムスリップ釈迦如来」(講談社NOVELS)です。
裏に、こう印刷されていました。
そして、巻末に「主要参考文献」として「釈尊のさとり」(講談社学術文庫)、「ソクラテス」(清水書院)、「老子」(清水書院)、「マクベス」(新潮文庫)、「ハムレット」(新潮文庫)など16冊の書名が載っていました。
これを読んで借りたのが間違いの元。本来使われている意味(愛すべきおバカなミステリー)として「バカミス」もいいかな?、と勘違いしてしまったのです。
主人公の吉野は敬虔な仏教徒。インド洋でダイビング中、エア切れを起こして生命の危機に。そのときに「仏陀の声を聞いた」吉野は、その体験以来、深く仏教に帰依することになります。「子どもたちのために尽くせ」という仏陀からの啓示どおり「吉野ダイビングスクール」をひらき、子どもたちを更正させる手助けを始め、ついにインドへ子どもたちを連れてダイビングを行うことに。
この辺りから???の連続。「生まれて初めて見るインド洋」と書いてあるのです。2度目のインドでなければならない、それぐらい重要な場所なのにこの作家は??????
その後は、ダジャレの連発。ブッダに「失礼ね。アタシ、ウソと坊主の頭だけはゆったことがないのよ」と言わせたり、「そんなバナナ」…。
また、参考文献を多く並べただけで、参考になるような、価値のある史実はいっこうに出てきません。ブッダの言葉「どうしたのよ浮かない顔して、便秘?」。この辺りで見切りをつけました。
2冊も続けて「ハズレ」。読んだことのない作家の本を選ぶ難しさを思い知らされました。
私のぼやきにうんざりされたまま終わりたくないので、今日咲いたユリの花の写真をデザートにどうぞ。
つまらない本一冊よりユリ一輪のほうが心の癒しになります。もう「バカミス」ものと言われる本を読むことはないでしょう。
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初めてコメントさせていただきます。
返信削除いつも「書評」を楽しみにいたしております。
とても参考になり、何冊か「おすすめ」の本を読みました。
これからもよろしくお願い致します。
MYより
MYさんへ
返信削除コメントをいただきありがとうございました。
「書評」と呼ぶほどのなかみがなく申し訳ありません。
いつも「ぼやき」みたいになってしまって…。
数は少ないのですが、読んでよかった!とウレシクなる本に出会えることがあります。
現職時代はもっぱら専門書のようなものばかり読んでいました。「小説」は「夏休み」ぐらいにしか読んでいなかったのですが、今は小説の方が多くなりました。