2011年6月18日土曜日

暴風地帯

中村敦夫の「暴風地帯」(角川書店)を読みました。

色あせた紺の合羽に三度笠、長い楊枝に左ほおの傷。股旅ものに新風を吹きこんだテレビ番組「木枯し紋次郎」で脚光を浴び、その後、活動の是非はともかく、国会議員として、そして落選後も「環境問題」に取り組んできた中村敦夫ならではの作品でした。

本の内容とは関係ないのですが、私が学生時代に嵐山方面へ遊びに行ったとき、たまたま「木枯らし紋次郎」のロケ現場を通りかかりました。何を撮ってるのか分からず通り過ぎようとすると、中村敦夫が紋次郎姿で休憩中。残念ながら長楊枝は見当たらず…。


自身のブログに、この作品について次のように紹介しています。

前作『ごみを喰う男』に続く、禅僧・法舟と寺男・三休が活躍する環境ミステリー第2弾です。

僧侶・法舟が訪れた銚子の町で、地上65メートルの風車に吊された、若い女性の全裸死体が見つかった。同時に、女性の属する組織の男が行方不明に。発電利権を巡る争いか? 元捜査一課長・法舟が、犯人像に迫る!

東日本大震災がきっかけとなり、原発問題についてマスコミでもその存在の是非にまで踏み込んだ報道がなされるようになりました。

この作品は「原発廃棄物最終処分場」誘致に絡む政財界、闇の組織が絡んだ殺人事件を扱いながら、原発と自然エネルギー開発について考えさせられる重いテーマを背負っています。

意外(と言っては失礼ですが)にも、筋立てもオモシロク、ようやく関心が向けられ始めたエネルギー問題を扱った小説なので、読んでみる価値のある作品です。ミステリーとしての面白さには期待しない方がいいとは思います。
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2 件のコメント:

  1. 木枯らし紋次郎・・かれこれ40年ぐらい前だったでしょうかねぇ。一世を風靡しました。上条恒彦の主題歌も迫力がありました。4歳くらいだった息子が主人公になったつもりで「アシにゃぁかからないでゴザンチュ」と言うとりました。
     それにしてもkikuさんの読書スピードと読書量には驚きますね。ほぼ毎日読んだ上にその日のうちに読後感もブログに書いてしまうのですから。ワタイなんかその読後感を読ませて貰うだけが、やっとなんですから・・
     読後感を読んだ読後感・・緑の字体は読みづらかったです・・・

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  2. MR.BONさんへ

    いつもコメントをいただきありがとうございます。
    BONさんのコメントを楽しみにしています。

    緑の字…読みづらかったこと、お許し下さい。
    次からは赤や黄で書いてみます(笑)

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