2011年5月28日土曜日

不戦の誓い・橋下知事には辞めていただくしかありません

27年も前のことですが、羽曳野市の教職員の平和教育資料として「不戦の誓い=語り継ぐ戦争体験=」という冊子を作りました(私が発行責任者となり、現職の教員や校長、市内在住者、被爆者などから多くの体験記を寄稿していただきました)。

大阪大空襲のとき、編隊を離れた数機のB29が羽曳野の高鷲村に焼夷弾を落としていったこと、道ばたに生える草を食べていたこと、赤紙を受け取り「バンザイ」の声に送られ「お国のために」村を離れたときのこと、学校の宿題としてイナゴをとって学校に持って行き、戦地の「兵隊さん」に送ったこと、2ヶ月に一度2足の運動靴を5年生全員でくじをひいて配給にありついたこと、女の人がおんぶしている赤ちゃんの首がないのに気づかず逃げ回っていたこと、被爆者を看護しながら自身も放射能により洗面器に3杯のドス黒い血を吐き、生死をさまよったこと…、読むのがつらくなる生々しい体験談が次々と。

その冊子の編集後記に「あの暗黒の時代をくり返さないため、私達に与えられた課題は決して小さくはありません」などど書きました。

なぜ、こんなことを今頃書くのか不思議に思われるかもしれません。悲惨な戦争を起こした反省のもとにつくられた憲法が危機に瀕しているからです。最近のニュース、大阪の橋下知事の動きには我慢も限界。

「思想・良心の自由(憲法19条)」や「憲法擁護義務(憲法99条)」などを守らない知事には辞めてもらうしかありません。

「大阪維新の会」が教職員に「君が代」斉唱時に起立を強制する条例を作ろうとし、知事は従わないものを懲戒免職にする条例案を公言。東京高裁でさえ「日の丸・君が代」強制に従わなかった東京都の教職員への「処分」を取り消し、「憲法19条に違反するのが通説的見解」と断じています

昨年、大阪府の任命式で歴代知事では初めて橋下知事が新入職員を起立・「君が代」斉唱をさせ、「思想信条の自由とかいってる場合じゃない」と発言、というより怒鳴ったのです。

今回の一連の動きに多くの団体や個人が抗議の声をあげています。ぜひ下記のものはお読み下さい。大阪弁護士会の会長声明です。
http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/seimei/seimei110524-2.pdf

日弁連の会長声明です。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110526.html

教育との関連に重きを置いた大阪教育文化センター のアピールです。
http://www.osaka-kyoubun.net/

橋下知事が一斉地方選挙中に「公約」として語っていたものは、大阪で遅れている「中学校給食の実現」だったはずです。この公約こそまず実現すべきです。突然、憲法違反の条例を出してくるとは…。府としてやるべきことはたくさんあります。学校の耐震化工事、教育条件整備こそ本気でやっていただきたいことです。教育の中味に口出しすることは行政に許されていることではありません。
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6 件のコメント:

  1. 近藤(葦の同期)2011年6月3日 10:30

     最近、私は若い時の考え(マルクスやサルトル等の近代新啓蒙主義者の影響による)・戦中・戦前の日本の全てを否定的に捉える見方は 戦後民主主義教育の洗脳による一種のイデオロギー(絶対的価値体系)ではと・・・

     のちの人生における、中国古典四書五経・国学(本居宣長等)・中世スコラ哲学・などによる知見や、洗礼を受け聖書やバルト神学にかぶれ、小林よしのりの歴史認識や考えに共感するようになり、もちろん思想良心の自由は、これはなにびとにも侵されてはならないが、私達の自由意志に基づいて、日本の歴史・文化・伝統を慈しみ育むことは大切なことだと思うようになりました。

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  2. コンドーくんへ

    コメント、ありがとうございます。
    関係ないことですが、連絡をいただいてからM(酒蔵)くんと久しぶりに電話で話しました。いいきっかけをいただき感謝しています。

    「私達の自由意志に基づいて、日本の歴史・文化・伝統を慈しみ育むことは大切なことだ」というご意見、私も同感です。全く異論はありません。それを結果的に破壊しているのが「小林よしのり」なる漫画家だと思うのですが…。日本のアジアへの侵略を侵略と認めない彼のどこに「共感」されたのか…?。
    この続きは、いつか再会したときにでも。

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  3. 小林よしのりお(近藤氏の誌友仲間)2011年6月4日 9:56

    条例が成立しても それに反対なら自分の信念をまっとうしたらいいと思う、 刑事罰を受けるなら問題だが、懲戒免職なら本望だとおもう。

     護憲なら、天皇条項と言うものがあり、主権を有する国民の代表である最高行政責任者の首相の任命は、衆議院における指名だけではだめで、天皇による認証がないと正式には手続き上認められない。国会開会の召集や憲法・法律の発布も天皇の名でおこなう。

     また天皇には信仰の自由がなく、いにしえからの家業である伊勢神宮を筆頭とする神道の最高位の祭司職を国で保護し支えているこの憲法は政教分離ではなく祭政一致で しかも主権も国民には無いようになっている。 本当にこんな、非戦闘員・民間人を大空襲や原爆で無差別で虐殺した本当の意味での戦争犯罪国家アメリカによる占領軍政下の憲法のままでいいのでしょうか。   

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  4. 小林よしのりおさんへ

    コメント自体を否定も肯定もしませんが、小林よしのりおさんの主張を宣伝する場ではないことだけはご理解下さい。

    ネット上でご自分の意見を広く知らせたいのであれば、ご自身のブログやHPなどでおこなって下さい。

    私はこのコメント欄で「論争」をするつもりは一切ありません。

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  5. 近藤(同志)2011年6月4日 23:42

    気を悪くされたのならすいません。 そういうつもりはなかったのですが、解ってくれるような気がしたので、つい調子に乗ってしまいました。 ただ最近この日本がこれからどうなるのか本当に心配で、KIKUさんも私とは違うかもしないが、何か熱い思いを持たれているとしたら、互いの成熟した多様な価値観こそ、今この国に必要なこてだはないかと・・・
     
     あっ、またやってしまいました、すいません。 
    私も不毛なディベートは、意味が無く、建設的ではないからいやです。 失礼しました。

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  6. コンドーくんへ

    コメント、ありがとうございます。
    「多様な価値観こそ、今この国に必要な」のだと私も思います。

    早くお会いできる日が来ることを願っています。
    一応ヒマ人ですのでご都合がつけばmixiのメールででも連絡下さい。私の日程は比較的空いていますので…。

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