2011年4月21日木曜日

後藤さんのこと

円城 塔の「後藤さんのこと」(早川書房)を読みました、というより「読んでしまいました」という方が正確です。

図書館で何気なく手にした本をパラパラとめくってみると、珍しいことに本文に色がついているかわった本。内容を全く読みもせず、珍しさにつられて借りてしまった本です。

「後藤さんのこと」「さかしま」「考速」「The History of the Decline and Fall of the Galactic Empire」「ガベージコレクション」「墓標天球」、六つの短編集。

読んで呆れるばかり。これは普通の小説ではなく、作者の妄想、妄念、迷夢を書き綴っただけの、およそ小説とは呼べないしろもの。よく言えば、実験的小説と呼べないこともありませんが…。

大学、大学院と物理を専門に学んだ作者らしく、「普通の人」があまり使うことのない専門用語が頻繁に出てきます。しかも、筋がある話ではなく、思春期を抜け出すぐらいの頃に多くの人が経験する「白昼夢の世界」に引きずり込むような作品ばかり。

音楽の世界にも理解不能(私にとって)な、音楽もどきの「前衛」音楽と名付けられるようなものがあります。それとたいして変わらない、非生産的で、前向きに生きることを否定するような内容。出版物としての資格がない、相応しくない、としか言いようがありません。

例えば、ステージ上でピアノをたたき壊す「音楽」とか「4分33秒」という無音の世界を観客に繰り広げる「音楽」http://www.youtube.com/watch?v=gN2zcLBr_VM&feature=relatedや、奇をてらったとしかいいようがない「音楽」http://www.youtube.com/watch?v=oIaz6zBz1go&feature=player_embedded、これらと大差ない「小説」。

作者に私の声が届くわけがありませんが、願わくは、ごく少数のエリート読者?を対象にした作品ではなく、より多くの普通の健全な読者?を対象とした作品にシフトされたし…。
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3 件のコメント:

  1. こんばんは、ニトベンです。♪
    ボクの部屋には5年ほど前まで買った小説や単行本が未だに読まずにホコリを被っています。
    あの頃は読みたい本を良く落札していましたが、届くと満足してしまい
    結局読まないままです。(笑)
    手に入れた事であんしんしてたんでしょうねえ。(^o^)/

    村のポッチンですが、ボクはあまりアウトは気にしていません。
    なのでアウトまで気にされないでもいいですよ。(^o^)/
    村正さんはどちらを重視されてますか。

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  2. 菊村さん、ご免なさいね。 ニトベンおじさんです。
    上のコメントの名前を間違ってしまいました。
    お許しあれ。

    ポッチ~んです。(^o^)/

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  3. ニトベンさんへ

    私も、働いているときは、いわゆる「積ん読」がよくありました。まちがって2冊目まで購入したこともあるぐらいでした。

    「村」のことですが、実はあまり気にしていません。「村」の住人になることで「村」人に私のブログを訪問していただくことを期待して入村したのですが…。ですから「アウト」を期待しているとお答えした方がいいのかもしれません。
    ブログを訪問していただく人数が増えた今は、それが「イン」に比例していなくて気にはなるのですが…。

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