2011年4月19日火曜日

宙ぶらん

伊集院 静の「宙ぶらん」(集英社)を読みました。

「煙草」「塩」「羽」「聖人・ペネ」「魔術師・ガラ」「月と魚」「岬」「失踪」「階段」「宙ぶらん」、と十の短編が載せられています。伊集院静らしく、野球を多少なりとも扱った短編が二編。

半分は、主に外国を舞台とした小説。十編全てに共通するのは、「孤独」な主人公と「酒」と「失踪」。

どの短編もお薦めできるような内容ではありませんでした。人とのつながりの中でしか生きられないのが人間なのに、徹底的に「独り」で生きる姿を描き、社会的関係から断ち切ったところで行動させている作品が多く、読めば読むほど閉塞感から抜けることができなくなってくるような…。

今までに読んだ伊集院静の著作は、人の心のぬくもり、温かい人間関係を描く中で生きる喜びを感じさせてくれる作品が多かったのですが、この短編集はその対極にあるモノ。

誤解のないように書いておきますが、決して「人間性」を否定した作品群ではありません。生きることの一つの側面を今までとは異なる視点から描いた作品、というべきなのでしょうか。


表題の「宙ぶらん」以外の作品は、集英社の読書情報誌「青春と読書」に掲載されたもののようです。若い人向けの雑誌に掲載することがふさわしいのかどうか、疑問符をつけたくなります。読書嫌いか「読書オタク」、どちらかを増やすように思えてなりません。
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3 件のコメント:

  1. こんにちは~、ニトベンです。(^o^)/
    プロフィールを書くのが面倒なので手抜きします。
    良く本を読まれているようですねえ、感心します。
    ボクは趣味の「ラジコン」の本でさえ、10年近く買っていません。(笑)
    趣味が広くて楽しそうですね、ボクはラジコン以外の趣味は挫折していますよ。(爆)

    村の往復ポッチ~んです。(^o^)/

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  2. ニトベンおじさんです。

    こっちからも村ポッチンしておきますね。(^o^)/

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  3. ニトベンさんへ

    私は片道しかポッチンしなかったので「往復」しときマス。(笑)

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