内田康夫の「しまなみ幻想」(光文社)を読みました。
内田康夫の作品を読み始めたのは、「貴賓室の怪人『飛鳥』編」から。
今はもうあきらめていますが、何年か前までは、定年退職後に「飛鳥」で約100日間の世界一周旅行をすることが夢でした。退職後の生活に関わるいろんな資料を集めたりしているうちに、「世界一周」の夢をふくらませていました。
その「飛鳥」を舞台とする作品でしたので、「浅見光彦シリーズ」としては珍しい海外ものから読み始めることとなったのです。
早期退職を選んだ時点で、贅沢な夢は実現不可能となってしまいました…
「しまなみ幻想」で久しぶりに浅見光彦と再会しました。村上咲枝という中学生の少女とともに、「自殺」と処理されていた母親の死の真相を明らかにしていくという内容。相変わらずさわやかな人物でした。「お坊ちゃま」くささが少し残るところも変わっていません。
調べてみて分かったのですが、しまなみ海道を宣伝したい愛媛県から依頼されて執筆した作品だそうです。ですから、しまなみ海道を利用して訪問できるあちらこちらの有名な観光名所が出てきますし、村上水軍のことも必要以上に紹介されたりしています。よく言えば、旅情感あふれる推理小説ですが…。
0 件のコメント:
コメントを投稿