短編全集7には、「なぜ『星図』が開いていたのか」「反射」「破談変異」「点」「甲府在番」「怖妻の棺」「鬼畜」の7編が収められています。
清張作品で珍しく私には不満が残ったのが、第1作と2作目。「解説」には「初期推理短編の佳品」とありますが、清張らしさが全く感じられない作品でした。
「破談変異」は、縁談をすすめた目付が春日局によって破談にされ、その遺恨を刃傷で晴らし、お家取りつぶしとなる時代小説。絶対的権力者の前では無力な存在である人物が、追い詰められたときにここまで残虐な行為に及ぶとは…驚きの結末です。
最も「楽しめた」のは、「甲府在番」。島流しと同等の甲府勤番として江戸から左遷された旗本が、密かに希望を持ったのが、金山を見つけて金を得ること。その哀れな行動や心情を清張らしく描いています。残念なのは、結末を描く場面がバッサリ省略されていること。長編として世に出してほしかった作品です。
一番有名なのが「鬼畜」。30数年前に松竹で映画化され、10年近く前にはテレビドラマ化されたようです。ビートたけしが夫役、 黒木瞳が妻役だったそうで、ご覧になった方も多いのでは?
と、ここまで書いたところで、「すごい地震が起こったみたい」とチカコの声。昼間にテレビを見ることはまずないのですが、今から見ようと思っています。大きな被害が出ていないことを願っています。津波の被害も心配です。
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