2011年3月1日火曜日

かなづかい入門

買ったままの状態で2年ほど眠っていた本、白石良夫著「かなづかい入門」(平凡社新書)をようやく読む気になり、途中で読むのを止めようとするもう一人の自分とたたかいながら、2日もかかって読み終えました。

1年生を担任すると、もちろん「仮名」を教えるのですが、助詞の「を、は、へ」や「長音」のあつかいに苦労させられます。

教えることとは別の次元で、特に長音について、そして「じ」「ず」と「ぢ」「づ」の書き分けの定義について、大きな疑問を持っていました。

それを解決しようと買った本。もう今の私には「必要のない?」本なので、途中で何度も読むこと自体を放棄しようとしたのです。


本書の大半は、日本語の発音変化と仮名表記、仮名遣いの歴史にページが費やされています。

大きく「記述仮名遣い」と「規範仮名遣い」に分け、特に規範仮名遣いについて、定家仮名遣い、契沖仮名遣い、歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)、現代仮名遣い(新仮名遣い)のそれぞれについて詳しく述べられています。

奈良時代には、撥音・促音・拗音・長音を除いて88の音節があった日本語が、平安時代初期には73に…など、消えたり、区別がつかなくなったりした発音のため、混乱が。

その混乱に拍車をかけたのが、いわゆる「旧仮名遣い」。家は「か」、花は「くわ」、印は「いん」、院は「ゐん」、応は「おう」、央は「あう」、王は「わう」、押は「あふ」、商は「しやう」、小は「せう」、渉は「せふ」、勝は「しよう」…。

戦後になって、ようやくこの混乱を解決しようと、内閣告示で「現代かなづかい」が公布され、その40年後には「現代仮名遣い」が公布されました。

でも、混乱は内包したまま。特に長音や、し、ち、す、つの濁音。私の疑問は解決されないまま。おそらく何十年(何百年)もかかって、これらの表記は変わるに違いないという確信だけは持つことができましたが…。
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2 件のコメント:

  1. 私も亀山日本語教室というところで外人に日本語を教えていますが、助詞は外人にとって難しいですね

    教えていると如何に自分が理解できていないかと言うことに
    気が付きます

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  2. fumiさんへ

    すごいですね、日本語教室で教えているとは。
    助詞はさておき、「え」列の長音、これが問題です。
    「現代仮名遣い」では「おねえさん」「ええ」を例にあげ、原則として、表記する場合に「え」と書くことになっています。
    しかし、ほとんどの全て言葉は例外で「けいせい」「ていねい」など「い」と表記します。原則と例外が逆転していて、混乱の根源です。「お」列の長音もそうです。
    どうしてそういうことになったかを知りたくて、この本を読んでみたのですが…。???のままです。
    日本語学校では役に立たないかも分かりませんが、ぜひご一読あれ…。

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