2011年2月17日木曜日

混濁の夏

カルロ・ルカレッリの作品で、「デルーカの事件簿Ⅱ」混濁の夏(柏艪舎)を読みました。

一作目の「白紙委任状」で、主人公の捜査官デリーカが逃亡者となりました。逃避行を続けるデリーカがある殺人事件の捜査に巻き込まれることになります。

北イタリアはファシズム体制の崩壊後、混沌とした政治状況に陥ります。キリスト教民主党、イタリア共産党などの復活とともに、ファシズム政権の官僚も復権を果たし、そのことが「混濁の夏」にも反映されています。

ニセの身分証明書をパルチザン警察のある巡査部長に取り上げられ、彼の正体を知る巡査部長とともに、複雑な政治状況を反映した凶悪事件を解決していくデルーカ。

見事、真相を暴いたデルーカが、最後には「憲兵」に手錠をかけられ、銃でこづかれて連れ去られるところで物語は終わります。そして、第3作「オーケ通り」に続いていくことになります。

一応第3作目でシリーズが終わることとなるのですが、解説には、ただいま作者が第4作を準備中、とのこと。明日か明後日には、第3作「オーケ通り」を紹介します。
ブログランキング・にほんブログ村へ

0 件のコメント:

コメントを投稿