2011年1月5日水曜日

花妖譚

午前中は、宮部みゆきの「理由」を読んでいました。

昼食後、本棚を見ていると、またチカコの残していた本に目がいき、本屋のつけたカバーが付いたままの薄い本に目がとまり、つい手を伸ばしてしまいました。


中を見ると、司馬遼太郎の「花妖譚」(文春文庫)でした。驚くぐらいページ数の少ない(わずか146ページ)文庫本で、昼から「理由」を読むのをストップして(積ん読の積ん読? またまた、またまた悪い癖が出ました)、この本を読みました。

「花妖譚」は、司馬遼太郎の初期の作品で、彼がまだ「福田定一」名で花の専門誌に発表した十の短編をまとめたもの。水仙、チューリップ、牡丹、芥子…とさまざまな花の「妖しさ」をテーマに、それぞれの物語が展開されています。

一番のお薦めは六つ目の「睡蓮」。主役?は役行者、小角(おづぬ)。

葛城山で飛行術を修行し、金剛山と二上山の間を一日十回走ること、一年。そして、二上山で経文、呪文を365日唱え続け、ようやく飛行術を心得…。これが睡蓮とどう関係するかは、実際にこの「花妖譚」を読んでいただくしかありません。
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