2010年12月3日金曜日

電子辞書を横に置き

赤城毅著「書物狩人(ル・シャスール)」=講談社文庫版=を読むには、電子辞書(我が家にあるのは10年以上前に買った古いもの)が欠かせませんでした。

「書物狩人」自体は、4つの話をまとめた、あまり分厚くない文庫本。すぐに読めてしまう本なのですが、作者が使う言葉の意味が分からず、電子辞書を横に置きながら今、読み終えました。

第1話「教科書に準拠して」は、ジョン・F・ケネディ暗殺を扱った話ですが、これは前後の脈絡から判断でき、意味を調べることなく、読了。第2話「神々は争う」は、ヴァチカンをゆるがす「第5福音書」をめぐる話で、この話あたりから私にとっては馴染みのない言葉が出てきだしました。〈猊下=げいか〉〈艶冶=えんや〉〈帙=ちつ〉〈正鵠=せいこく〉等々。

第4話「実用的な古書」は、陸軍中野学校がらみの話。この中には、〈こちた〉などと、万葉集や源氏物語にしか出てこない古語が使われたり、〈零本〉など古本業者が使う言葉、〈吝嗇=りんしょく〉〈挙措〉…。

このブログを読んでいただいている方に笑われるかも知れませんが、私の知らない言葉がいくつも出てくる本でした。

シリーズものの次作「書物迷宮」と「書物法廷」もすでに刊行されているようですが、文庫化されるのを待って読もうと思っています。

巻末に40冊近い「参考文献」が並ぶほど、作者は世界各国の風物や歴史、、文化について詳しく調べた上でこの物語を書いています。短い話ですが、読み応えがあることまちがいなしのお薦め作品です。

でも、読みづらいです…。

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読書

2 件のコメント:

  1. キックンは読書家やねぇ
    私は最近読まなくなりました

    頭も悪くなって読んでも上っ面
    なかなか理解できないで何度も同じところを読まないといけなくなりしんどくなってきます

    私は電子辞書の代わりにウィキペデイアを使うのでついついあらぬ方向に行ってしまいがちでなかなか集中できないでパソコン中毒みたいになってしまいました

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  2. fumiさんへ

    若い頃は、忙しくても必要にせまられて、たくさんの本を読んでいました。

    歳を重ねるにつれ、だんだん読書量が減ってきていました。

    退職し、時間的な余裕ができたのと、テレビを見ることはあまり好きでないので、やることがないときは読書などをして過ごしています。
    テレビはk1などのスポーツ、単発の映画を選んでみています。あとは、ニュース番組ぐらい。
    もうすぐ、これにアコーディオン練習が加わる予定。

    fumiさんも退職後は、たぶん私と同じく、読書の時間が増えることと思いますよ。

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